オーバーホールの手順です 2/2
(注:一部ナンバー付き一般車両とは異なる部分があります)
ブロックのシリンダーの磨耗具合をチェックします。
新品のピストンリングをシリンダーに入れ、
ピストンリングの合い口のすき間を測定します。
今回は、基準値より広かったため
シリンダーブロックを交換します。
ピストンリング、各メタル、各シール類、を交換して
オーバーホール完了とする方(業者さん含)も見受けられますが
ピストンリングの合い口が広いと、本来のパワーが出ません。
とてももったいない事だと思います。
ブロックにクランクメタル(親メタル)を取り付けます。
メタルを取り付ける面は脱脂して、
ほこり等が入らないよう注意します。
取り付け時にブロックのエッジで
メタルが削れる場合があります
削れて発生したカス(ゴミ)はきれいに取り除いてください。
メタルクリアランスは、プラスチゲージで測ります。
広くするか、狭くするか、
エンジンの使用用途により決定します。
クランクシャフトをのせて、
クランクキャップ側も同じように脱脂をし、
メタルを装着し、規定トルクにて締付けます。
クランクシャフトが、
クルクルとスムーズに回転することを確認します。
ブロックを交換したので、
スラスト方向のクリアランスも点検します。
ピストンとコンロッドを組みつけます。
お互い向きを間違えないように注意です。
簡単なバランス取りの方法は
1
ピストンを軽い順に並べます、
2
コンロッドを重い順に並べます。
3
そのままそれぞれ組みつけてください。
N1エンジン等、改造範囲が限られている場合
よく使われる手法です。
ピストンにピストンリングを装着します。
(リングに打刻がある場合は、打刻が上向きです)
合い口の向きを確認し、
コンロッドメタルを装着し、
ピストンリングコンプレッサーを使用して
ピストンをシリンダーに入れます。
コンロッドでシリンダーやクランクにキズをつけないよう注意です。
コンロッドキャップを規定トルクにて締付けます。
ブロック上面、ヘッド下面を脱脂して
ヘッドガスケットをのせ、
ヘッドをのせます。
ヘッドボルトを規定トルクにて締付けます。
ひずみを外に逃がすイメージで
中央のボルトから、何回かに分けて締めていきます。
ヘッドボルトを再使用の場合は、
長さが基準値内か測定してください。
エンジンらしくなってきました。
インナーシムをのせ、
バルブリフターをのせます。
カムシャフトをのせ、
カムキャップを規定トルクにて締付けます。
カムシャフトに無理な力がかからないよう注意です。
シックネスゲージにてバルブクリアランスを測定します。
ヘッド単体でクリアランス調整をする方もいらっしゃるようですが、
ヘッドボルト締め付け後は、ヘッドが歪み、クリアランスが変わりますので、
バルブクリアランスは、ヘッドボルト締付け後に測定調整してください。
クリアランスが基準値外のときは、
もう一度カムシャフトを外し、
基準値内におさまるよう厚みの異なるシムに交換します。
純正の値は、かなりマージンをとった値です。
温度管理が充分にできる場合は、純正値を外しても大丈夫です。
ある程度ギリギリまでクリアランスをつめたほうが、
カムシャフトの作用角及びリフトを稼げます。
今回は、戸田レーシングのカムを入れ、VVTレスにしました。
4バルブと比べると、プラグホールの筒が邪魔なので
INカムのリフト量は少ないですね。
ご予算の都合もあり、スライドスプロケは付けていません。
インテークはタイミングベルトを一コマずらしてプーリーにかけることにより、
目標のバルブタイミングに近づきました。
エキゾーストは当然イマイチなバルタイです。
オーナーさんと、もう一度バルタイの重要性についてお話しましょう。
もうすぐ完成です。
タイミングベルト、補機類をつけてほぼ完成です。
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