オーバーホールの手順です 1/2
(注:一部ナンバー付き一般車両とは異なる部分があります)
弊社で組んだエンジンは、サーキットを走られてるお客様も多いのですが、
お客様の運転が上手なこともありますが、過去に1機もブローしたことはありません。
ご存知、名機4AGです。
通称 "黒ヘッド"
AE111のエンジンです。オーバーホールです。
4AGは何機めでしょうか。結構OHやってます。
今回は、サーキット専用車両のエンジンのため、
組み方や、クリアランス等、
公開できない部分もありますが、
全体の流れをおおまかに公開します。
ご自分でオーバーホールされる方、
参考にしてみてください。
4連スロットルを外し、ヘッドカバーを外し、
タイミングベルトを外し、
インテークのカムシャフトを外しました。
バルブスプリングの力がかかっていますので、
カムシャフトに無理な力がかからないよう気をつけてください。
さすが20バルブです。
インテークバルブは12本。
バルブリフター、シムを順番に保管します。
ヘッドボルトを緩め、シリンダーヘッドを降ろします。
ピストンが見えました。
エンジンを逆さまにして、
オイルパンシールカッターと呼ばれる道具でオイルパンを外します。
この道具の有無で、作業効率がかなり違います。
すき間に挟んで、ハンマーでたたきながら、液体パッキンを切断していきます。
オイルパンが外れました。
オイルを吸い上げるストレーナーとバッフルプレートがでてきます。
同じくシールカッターを使い、バッフルプレートも外します。
クランクシャフトが見えてきます。
コンロッドキャップを外し、ピストンとコンロッドをブロックから抜きます。
その前にシリンダーの上部のカーボン、スラッジを取り除きます。
これをやらないと、ピストンリングが引っかかりピストンが抜けてきません。
コンロッドでシリンダーにキズをつけないように気をつけながら、
ピストンを抜きます。
なにか一緒に出てきました。
ピストンが割れています。
"棚落ち"と言われている壊れ方です。
オイルポンプを外して、クランクシャフトを外します。
クランクメタル、スラストメタルを外します。
No.3のメタルの表面が一部剥離してました。
キズも多いです。新品に交換です。
今回は、いいタイミングでエンジンを開けました。
知らずに乗っていたら致命的なダメージを受けた可能性があります。
エンジンブロック単体になりました。
ピストン裏にオイルを噴射して冷却するノズルが見えます。
オイルパン取り付けボルト穴の掃除です。
液体パッキンのカスが入っている場合があるので
一応チェックします。
ヘッドガスケットのカス等を取り除き
オイルストーンで軽く磨きます。
削りすぎ注意です。
この後ストレートエッジを使用し
平面のチェックをします。
今回は、AE101のコンロッドを使用します。
バランスよく回転するように、重量も合わせます。
シリンダーヘッドです。
専用の工具を使って、
"コッター"と呼ばれる小さな部品を外し、
バルブを外します。
今回は、バルブを新品に交換するので、
専用のコンパウンドを使用して
擦り合わせという作業をして当たりを出します。
当たり幅も、広いと熱伝導が良い
狭いと気密性が良い など
考え方によって、数値が変わってきます。
左が新品、右がすり合わせ後です。
外周に帯状の当たり面(つや消しの部分)が確認できます。
バルブ再使用時は、ボール盤等を使用して
バルブを綺麗にします。
今回は、ガスケットに合わせて、軽くポートも削ります。
加工屋さんにて平面研磨をしてもらいました。
長野県松本市芳野11-10
TEL/FAX 0263-28-4554
小山自動車企画
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